アイルランドといえばウイスキー発祥の地のひとつとして知られていますが、その中でも最も長い歴史を持ち、世界中のファンから愛され続けているのが”ブッシュミルズ(Bushmills)”です。
その滑らかで飲みやすい味わいは、ウイスキー初心者から上級者まで幅広い層に支持されており、特にトリプルディスティレーション(三回蒸溜)による柔らかな口当たりが特徴です。
この記事では、ブッシュミルズの歴史、製法、主なラインナップ、テイスティングノートまで、詳しく解説していきます。
アイルランド最古のウイスキー蒸溜所「ブッシュミルズ」とは?
ブッシュミルズ蒸溜所は、1608年にアイルランド政府からライセンスを受けた、世界最古の稼働蒸溜所として知られています。
所在地はアイルランド島北部・北アイルランドのアントリム州ブッシュミルズ村。美しい自然と清冽な水に恵まれた地で、400年以上にわたりウイスキー造りを続けています。
伝統を守りつつも革新を重ね、現在では世界中に輸出されるグローバルブランドとして地位を確立しています。
ブッシュミルズの製法の特徴
ブッシュミルズのウイスキーは、以下のようなアイルランド独特の製法によって造られています。
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トリプルディスティレーション(三回蒸溜)
通常スコッチでは2回蒸溜が主流ですが、ブッシュミルズは3回蒸溜することで、より滑らかで繊細な味わいを実現しています。 -
アンピーテッド(ノンピート)モルト
アイリッシュウイスキーらしく、ピート(泥炭)を使用せず、クリーンで穏やかな香味が特徴です。 -
厳選された樽での熟成
バーボン樽やシェリー樽を使い分け、複雑で奥行きのあるフレーバーを生み出しています。
主なラインナップと特徴
ブッシュミルズは幅広いラインナップを展開していますが、ここでは特に代表的なボトルをいくつか紹介します。
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ブッシュミルズ オリジナル(White Label)
モルトとグレーンをブレンドした軽やかなスタンダードボトル。甘みとスムースな飲み口で初心者にも最適。 -
ブッシュミルズ ブラックブッシュ
高比率のモルト原酒を使用し、シェリー樽熟成が香る濃厚で芳醇なブレンデッド。コクと深みを楽しみたい方に。 -
ブッシュミルズ 10年 シングルモルト
バーボン樽で10年熟成された、フルーティーでバニラの香りが心地よい1本。スムースさと繊細さを兼ね備える。 -
ブッシュミルズ 16年/21年
シェリー樽、ポート樽、マデイラ樽などを駆使した複雑な熟成。プレミアムな体験をしたい方におすすめ。
テイスティングノート〜ブッシュミルズ ブラックブッシュ
人気の高い「ブラックブッシュ」のテイスティングノートをご紹介します。
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香り(ノーズ):ドライフルーツ、熟したリンゴ、シナモン、わずかなオーク。シェリー樽由来の甘く深みある香り。
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味わい(パレット):レーズン、黒糖、バニラ、焼き菓子のような風味。リッチでまろやかな口当たり。
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余韻(フィニッシュ):スムースで長めの余韻。オークとスパイスが上品に残る。
アルコールの角が取れており、非常に滑らかで穏やかな飲み心地が楽しめます。
飲み方のおすすめ
ブッシュミルズは、どのボトルも飲みやすく親しみやすい味わいなので、さまざまなスタイルで楽しむことができます。
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ストレート
10年以上のシングルモルトはストレートで味の変化を楽しむのが王道。 -
トワイスアップ
ブラックブッシュなどは少量の加水で香りがふわっと開き、甘みも引き立ちます。 -
ハイボールやアイリッシュコーヒー
オリジナルはハイボールやコーヒーカクテルにも相性抜群で、日常の1杯に最適です。
ブッシュミルズの魅力は“滑らかさと伝統の融合”
ブッシュミルズは、アイルランド最古の蒸溜所としての伝統を守りながらも、常に品質を追求してきたブランドです。
特にトリプルディスティレーションによる滑らかで柔らかい口当たりは、他にはない大きな魅力です。
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初心者でも飲みやすいスムースさ
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熟成による深みとコク
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多様なラインナップで好みに応じて選べる楽しさ
「アイリッシュウイスキーに興味がある」「飲みやすくて上質な1本を探している」という方には、ブッシュミルズは間違いなくおすすめできるウイスキーです。

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