スコットランド・スペイサイド地方は、世界中のウイスキーラバーから「モルトの聖地」と呼ばれる地域です。
その中でも特に歴史が古く、世界で長年親しまれてきたシングルモルトがグレングラント(Glen Grant)です。
軽やかでフルーティーな味わいが特徴で、ヨーロッパだけでなく日本でも根強い人気を誇ります。
本記事では、グレングラントの歴史、製法、特徴、テイスティングノート、そしておすすめの楽しみ方について詳しく解説します。
グレングラントとは?〜歴史と伝統のある蒸溜所
グレングラント蒸溜所は、1840年にスコットランド・スペイサイドのローセスの町で創業しました。
創業者のグラント兄弟は革新的な蒸溜技術を取り入れ、すっきりとした飲み口を実現したことで当時から人気を集めました。
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創業年:1840年
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創業地:スペイサイド・ローセス
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特徴:軽快でフルーティーな味わい、シングルモルトとしても世界的に普及
その後、イタリア市場で特に人気を博し、現在も「イタリアで最も売れているシングルモルト」としての地位を維持しています。
製法とこだわり
グレングラントの個性を形作るのは、独自の製法にあります。
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細長い蒸溜器を採用し、より軽やかでクリアなスピリッツを生み出す
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蒸溜器には**精留塔(パーセル・チャンバー)**を設置し、重い成分を取り除く工夫
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熟成には主にバーボン樽を使用し、華やかな香りを引き立てる
こうした特徴的な製法により、スペイサイドの中でも特に爽やかでフルーティーな味わいを楽しめるモルトに仕上がっています。
テイスティングノート〜グレングラント 10年を例に
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香り(ノーズ):青リンゴ、洋梨、はちみつ、軽やかなフローラルのニュアンス
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味わい(パレット):バニラ、麦芽の甘み、シトラス。ライトボディで飲みやすい
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余韻(フィニッシュ):スムースで爽やかな後味。フルーティーな甘みが心地よく残る
他のスペイサイドモルトと比べても、より軽快で明るいキャラクターを持ち、ウイスキー初心者にも最適です。
主なラインナップ
グレングラントは幅広い熟成年数を展開しています。
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グレングラント 10年:爽やかで飲みやすいスタンダードボトル
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グレングラント 12年:フルーティーさと奥行きのある甘みが増した人気モデル
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グレングラント 15年:リッチで複雑な味わいを求める方におすすめ
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グレングラント 18年:より熟成感を楽しめる上位モデル
初心者には10年・12年がおすすめで、経験者には15年や18年が特に評価されています。
おすすめの飲み方
グレングラントはクセが少なく、爽やかでフルーティーなため、飲み方の幅も広いのが特徴です。
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ストレート:青リンゴやバニラのフルーティーな香りをダイレクトに楽しめます
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ロック:氷で冷やすと爽快感が増し、より飲みやすくなります
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ハイボール:シトラス感が強調され、軽快な飲み口で食中酒にも最適
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カクテルベース:オレンジピールやミントを添えたハイボールなどにも相性抜群
特にハイボールとの相性がよく、暑い季節にも爽やかに楽しめるモルトです。
まとめ〜グレングラントは“軽快でフルーティーなスペイサイドモルト”の代表格
グレングラントは、1840年の創業以来、世界中で愛され続けてきたシングルモルトです。
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スペイサイドらしいフルーティーで華やかな香り
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飲みやすく、初心者にもおすすめできる爽やかさ
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幅広い熟成年数展開で、シーンに応じた選択が可能
「ウイスキーをこれから楽しみたい」「爽やかで軽やかなモルトを探している」という方に、グレングラントは間違いなくおすすめできる一本です。

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