スコットランド・スペイサイド地方は、「ウイスキーの首都」と呼ばれるほど数多くの蒸溜所が集まる地域です。
その特徴は、フルーティーで華やか、繊細でバランスの取れた味わいにあります。
本記事では、代表的なスペイサイドモルトを取り上げ、それぞれの個性やテイスティングノートを比較しながら解説します。
スペイサイドモルトの特徴とは?
スペイサイド地方は、スコットランド北東部のスペイ川流域を中心とした地域で、世界のシングルモルト生産の約半数が集中しています。
特徴は以下の通りです。
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フルーティーで華やかな香り
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飲みやすくバランスが良い味わい
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熟成向きで幅広いスタイルが存在
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世界的に人気が高く、初心者から上級者まで楽しめる
まさに「シングルモルトの王道」と呼ぶにふさわしい地域です。
代表的なスペイサイドモルトの比較
ここでは、特に人気の高いブランドを取り上げて比較してみます。
グレンフィディック(Glenfiddich)
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世界で最も売れているシングルモルトの一つ
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梨や青リンゴを思わせる爽やかさが特徴
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12年は初心者におすすめのスタンダードボトル
テイスティングノート
香り:洋梨、青リンゴ、花の蜜
味わい:ライトでフルーティー、麦芽の甘み
余韻:すっきりとした爽やかなフィニッシュ
グレンリベット(The Glenlivet)
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「シングルモルトの原点」と称される蒸溜所
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滑らかでエレガント、フローラルで華やか
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世界中で高い評価を受ける定番モルト
テイスティングノート
香り:柑橘、トロピカルフルーツ、ハチミツ
味わい:シルキーで甘みと酸味のバランスが良い
余韻:フローラルで軽快な後味
グレングラント(Glen Grant)
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軽快でフルーティー、爽やかな飲み口
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特にイタリア市場で高い人気
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ストレートでもハイボールでも楽しめる万能型
テイスティングノート
香り:青リンゴ、洋梨、ハチミツ
味わい:バニラ、麦芽、シトラスの爽やかさ
余韻:クリーンで軽快、短めの余韻
アベラワー(Aberlour)
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シェリー樽熟成を多く用いるリッチな味わい
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甘みとスパイシーさの絶妙な調和
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「アブーナ(A’bunadh)」はカスクストレングスでファン人気が高い
テイスティングノート
香り:ドライフルーツ、ナッツ、チョコレート
味わい:濃厚な甘みとスパイシーさ、力強い個性
余韻:長く深いシェリーの余韻
マッカラン(The Macallan)
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「シングルモルトのロールスロイス」と称される高級ブランド
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シェリー樽熟成による濃厚で上質な甘み
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世界的に評価が高く、コレクション性も抜群
テイスティングノート
香り:レーズン、ドライフルーツ、スパイス
味わい:濃厚なシェリー感、チョコレート、スパイス
余韻:長くリッチ、重厚感のある後味
比較表で見るスペイサイドモルトの個性
| ブランド | スタイル | 特徴的な香味 | 飲みやすさ | 熟成向き |
|---|---|---|---|---|
| グレンフィディック | フルーティー&ライト | 洋梨、青リンゴ | ◎ | ○ |
| グレンリベット | エレガント&フローラル | 柑橘、ハチミツ、花 | ◎ | ○ |
| グレングラント | 軽快&爽やか | 青リンゴ、バニラ、シトラス | ◎ | △ |
| アベラワー | シェリーリッチ&スパイシー | ドライフルーツ、チョコ | ○ | ◎ |
| マッカラン | 濃厚シェリー&リッチ | レーズン、スパイス | △ | ◎ |
まとめ〜スペイサイドは“モルトの宝庫”
スペイサイドモルトは、その多様性とバランスの良さから、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
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フルーティーで華やかな「グレンフィディック」や「グレンリベット」
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爽やかで軽快な「グレングラント」
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シェリー樽でリッチな「アベラワー」や「マッカラン」
好みに合わせて選ぶことで、ウイスキーの奥深い世界を堪能できます。
「どれを選べばいいか迷う」という方には、まずはグレンフィディックやグレンリベットから始めてみるのがおすすめです。

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